机下(きか)の机

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机の下だけ、たまに時間がずれると気付いたのは、五年程も前でしょうか。
小学校の入学祝いに買ってもらった学習机を、私は現在も使っております。と言っても、当時は勉強嫌いで、机は荷物置き。椅子に座るのはランドセルという具合でした。備え付けの蛍光灯が未交換で点く辺り、いかに怠けていたかの証拠ですね。
傷だらけで、シールや落書き塗れで、引き出しの鍵は失くして。けれど頑丈で手に馴染む机です。大人になった今の方が、寸法が頃合いで、収納も豊富で重宝いたします。

ちびで狭い所の好きだった私は、よく下にもぐって、足置きを机にしておりました。さすがに外しましたが――
あぁ、足に当たると思えば案の定。
多分これは、父に叱られ、すねて籠ったまま寝てしまった時。
風邪をひくといけません。毛布を掛けておきましょう。見覚えのない柄でも、万事にのんきな『私』は気付きませんから。
しかし困った。代わりに私の仕事が進まない。
ファンタジー
公開:20/02/09 21:51

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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