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極寒の節分の夜、行く先々で追われた鬼たちはひどく疲れていた。
「兄ィ…ここ、妙ですぜ」
皆、足を止める。
大きく開かれた門。
目に飛び込んでくる『歓迎 鬼御一行様』の貼り紙。
「罠かもしれねえ。気ぃつけろ」
すると中から一人の男が出てきた。咄嗟に鬼たちが身構える。だが…
「おう、待ってたぜ!入んな入んな」
意外すぎる男の言葉に、鬼たちは思わず顔を見合わせた。
暖かい家の中で酒と豆をたっぷり振る舞われ、戸惑っていた鬼たちもようやく寛ぎ始めた。
「あのう、大将は何であっしらを…」
男は升で酒をあおって答えた。
「この寒いのに、問答無用で追っ立てるなんざ気の毒じゃあねえか。悪い奴と決まった訳でもねえのによう。まあ見てな。来年の節分は、町を挙げての盛大な祭りにしてやらあ」
自信満々に語る男を前に、子分たちが笑う。兄ィ株は思わず目を拭った。
来年…来年か…。
ああ、きっといい年になりそうだ…。
「兄ィ…ここ、妙ですぜ」
皆、足を止める。
大きく開かれた門。
目に飛び込んでくる『歓迎 鬼御一行様』の貼り紙。
「罠かもしれねえ。気ぃつけろ」
すると中から一人の男が出てきた。咄嗟に鬼たちが身構える。だが…
「おう、待ってたぜ!入んな入んな」
意外すぎる男の言葉に、鬼たちは思わず顔を見合わせた。
暖かい家の中で酒と豆をたっぷり振る舞われ、戸惑っていた鬼たちもようやく寛ぎ始めた。
「あのう、大将は何であっしらを…」
男は升で酒をあおって答えた。
「この寒いのに、問答無用で追っ立てるなんざ気の毒じゃあねえか。悪い奴と決まった訳でもねえのによう。まあ見てな。来年の節分は、町を挙げての盛大な祭りにしてやらあ」
自信満々に語る男を前に、子分たちが笑う。兄ィ株は思わず目を拭った。
来年…来年か…。
ああ、きっといい年になりそうだ…。
ファンタジー
公開:20/02/08 09:59
PURINさんの『転校生は鬼』
敬意と共感を込めて
来年の事を言うと鬼が笑う
本来は嘲笑の意味ですが
ここはひとつみんなで楽しく
笑って福招きといきましょう
2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnote・TALES・公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません
【活動歴】
・第2回 日本おいしい小説大賞 最終候補(小学館)
・第31回やまなし文学賞 佳作『雨を知るもの』
・創作大賞2025 入選 『栗と牡丹』
・SSアンソロジー『ベリショーズ』寄稿
・ホラーアンソロジー『ウタ・カタ』寄稿
【刊行】
・第31回やまなし文学賞受賞作品集(山梨日日新聞社)
・栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂(朝日文庫)
【note】
https://note.com/akishiba_note
【Twitter】
https://twitter.com/CNecozo
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