脱出不可能

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刑務所長は常々自慢していた。
「この刑務所の備えは完璧で、貴様らがどんなにもがこうと脱出不可能だ。二十四時間の監視体制に、いざというときのための武器や食料も完備。賊の仲間が外部から進入しようにも分厚いコンクリートの壁がドリルを跳ね返し、ヘリコプターで奇襲しようにも牢屋は全て地下に潜らせている。化学兵器をばら撒かれても、ボタン一つで建物全体を密閉状態にする装置が備え付けられている。ここは最強の刑務所なのだ」
この刑務所長の言葉が嘘ではないことは、しばらくして証明された。
第三次世界大戦が勃発し、核兵器が打ち込まれて国中が焼け野原になったが、この刑務所にいる受刑者たちだけは全員無事だった。
SF
公開:20/02/08 00:25

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