育毛剤

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「私にも効く育毛剤ってありませんか?」
まさかこんな若い女性が脱毛で苦しんでいるとは。
アイディア・デマス社の社長は彼女を哀れに思った。

今までも髪を生やそうとしたが、何度も髪を引っ張られては抜けてしまい、
そのうち育毛剤が効かなくなってきたとのこと。

「ひどい輩もいるものですな!」
「そうでしょうか、逆にあなたのような方のほうがめずらしいですが」

「わかりました! なんとかしてみせましょう」
社長は一心不乱に研究を続けた。

数カ月後--

「いかがでしょうか?」
「上出来です」
彼女の頭は綺麗なショートヘアになっていた。

「ちなみに今回生えてきた髪は引っ張っても抜けないかわり、ぞんざいな扱いをするものは弾くようになっております」
「ありがとうございます!」
そういって幸運の女神は去っていった。

こうして世の中には幸せになる人が増えたが感謝の心がない人はあいかわらずだった。
SF
公開:20/02/06 19:08

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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