ある世界での出来事

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連邦と共和国が戦争を始めて、はや十年。主戦場とされた極東の海は、死屍累々の地獄に成り果てていた。
海中には血が踊り、海底は骨で埋め尽くされる……頭骨の大きく開かれた口は断末魔を連想させ、死者たちの無念は残った者たちに語りかけた。
『ハヤク……ココヘ、コイ』
己が信念に殉じた若き戦士達……もはや誰のものか分からない髑髏となっては、報われない運命なのだろうか。
南方を領するは、栄光の"マグロ連邦"
最近、原因不明の魚口減少に悩まされるも、一度掴んだ天下は、なかなか手放せない。
対する北方の"サーモン共和国"は、鯛国やウナギ・アナゴ連合王国を保護下に置くなど、旧時代の帝国然とした姿勢は驚異であった。
両国の対立はもはや必然であり、アカガイ海底丘陵をめぐる戦いが「第一次魚界大戦」と呼ばれる大戦争の火蓋を切ることとなった。
マグロとサーモン、そして魚界の命運はどうなるか。
それは"神"のみぞ知る……
ファンタジー
公開:20/02/06 22:15
更新:20/02/06 22:20

加賀守 崇緒( 猫屋敷 )

気まぐれなハチワレ猫です。
頭抱えながら文章を考えてます。
スイカと芋と肉と魚に、お米とお酒、ブドウが好き。
よろしくお願いします。

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