忘年会

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三年ぶりに高校の友人に会う
高校を卒業してからは月に二、三回メールのやり取りをするくらいだった
一ヶ月程前「忘年会を兼ねて一緒に飲もうか」僕の誘いに彼は二言返事で了承してくれた
「時間は夜の九時、駅前の串カツ屋で」

時間はまだ八時半
彼に会うのが自分で思っている以上に楽しみなのだと思えた
彼とは高校の頃に何度も喧嘩をしていた
それでも今この瞬間も彼との関係が続いていると思うと
どこかむず痒く、それでいてとても嬉しく頰が緩む
店の前で彼を待つ間あの頃の記憶が如実に蘇ってくる
彼はあの頃と変わっているだろうか
変わらず僕の友人だろうか
一抹の不安を抱え彼を待った

二十メートル先に見知った人影が見えた
街の灯りはその人影を照らす
そこにはあの頃より少し大人びた
けれども子供のようにあの頃と変わらぬ笑顔があった
息が白く染まる程の寒さけれどもとても暖かい笑顔

きっと僕はこの日を忘れない
青春
公開:20/02/05 00:04
更新:20/02/05 00:06

youyou

言葉を紡ぎ
人の心を動かせる
作家に憧れています

私の言葉で誰かの世界に少しでも色を塗れたなら

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