缶詰
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僕は缶詰工場で働いている。小高い丘のうえに建つ工場からは町が一望できる。とるに足らない、ありふれたちっぽけな町。
缶詰の中身はなにかわからない。僕達にはなにも知らされていない。オートメーションで液体が充填されていく。
ここの工場は比較的給料もいい。誰も仕事の意義なんて知らない。僕はほかの世界なんて知らない。この町はずっとこうなんだから。
缶詰は開けられることのないまま静かに腐っていく。開けたとしてもシュールストレミングのように腐臭を放ってぐちゃぐちゃに溢れていくだろう。
僕はこの時代しか知らない。肝心なことはなにひとつ教えられないまま大人になって毎日よくわからない仕事をしている。
この世界は缶詰なんだろう。外の世界なんて知らないまま開けられる日を待っている。そして開くことができるなんてこともわからないままなのかもしれない。
缶詰の中身はなにかわからない。僕達にはなにも知らされていない。オートメーションで液体が充填されていく。
ここの工場は比較的給料もいい。誰も仕事の意義なんて知らない。僕はほかの世界なんて知らない。この町はずっとこうなんだから。
缶詰は開けられることのないまま静かに腐っていく。開けたとしてもシュールストレミングのように腐臭を放ってぐちゃぐちゃに溢れていくだろう。
僕はこの時代しか知らない。肝心なことはなにひとつ教えられないまま大人になって毎日よくわからない仕事をしている。
この世界は缶詰なんだろう。外の世界なんて知らないまま開けられる日を待っている。そして開くことができるなんてこともわからないままなのかもしれない。
その他
公開:20/02/04 19:49
Senoku ALMA
https://note.com/shiro_mid
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