デジタル御守り

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新年になってしばらくたってから、初詣に行ってなかったことを思い出す。
出発前に視線の先にある液晶画面に目を移して、アプリを起動。
慣れた手付きで課金をして、お目当ての物をダウンロードする。
お気に入りの音楽をかけ外へでる。
冬の寒さにうんざりしつつ、横断歩道を足早に駆け抜ける。
キキーーッ!!
頭に響く歌をブレーキ音が掻き消す。音の方向からは車が迫る。
交通量が少ないからと信号を見もしなかった、そんな事すら後悔する時間も無く。
目をつむった。
恐る恐る目を開ける。車は数センチ手前で停まっていた。
ふと、液晶画面に目をやる。先程課金したアプリが起動していた。
『交通安全』、四文字熟語が真っ赤に点滅していた。

『デジタル御守りはあなたのご利益をお約束します。商売繁盛、家内安全、安産祈願、等々お望みの機能に課金して下さいませ。AIの管理する社会ネットワークが全力でサポート致します。』
SF
公開:20/02/05 21:46

普通のへいわじん

月の音色にて噂を聞きまして。
よろしくお願いいたします。

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