永遠の誓い

24
11

 シースルーの高速エレベーターから眺める街の夜景は遠く降下していき、やがて無数の星の宿となった。
 僕は後ろ手に指環を握りしめていている。
 きっと君はもう気づいている。
 そうさ、僕はこれから君に——。
 急に頭上に赤い炎の柱が見え、天井が大きく揺れた。
 何が起きたのかわからなかった。だけど、この身にこれから起きることは不思議とすぐに理解した。
 固いつっかえが外れ、ロープがプツリと切れる。
 二人の身体が宙に浮き上がった。
 無重力の中で手を伸ばし、互いの身を引き寄せる。

 指環を、僕は見せた。
 涙を、君は浮かべた。
 残り何秒なの、私たち——?

 僕らは見つめ合い、唇を寄せあった。この人が、僕の恋人なんだと強く感じる。唇が熱く燃え、僕らは永遠を誓い合う。
 言葉を交わす時間なんてもうどこにもない。
 時は今——
 真空のゼロを歌っている。
恋愛
公開:20/02/03 21:40
更新:20/02/03 21:42
指輪 エレベータ 愛の誓い

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容