親子の絆、父と息子の思い出

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数え切れない殺意だけ覚えている
何度殺そうと思ったかわからない
安い発泡酒で酔い潰れた泥のように眠るアイツの顔に濡れタオルを乗せたら本当に死ぬのか
寝ているうちに心臓や首に包丁を突き刺そうかとも考えた
ガスコンロからガスを漏らして逃げようか、とも思った
だが結局どれ一つとして実行しなかったのは
それでも実の父親だから
などという生温い理由ではなく単純に失敗して返り討ちに遭った場合にどんな酷い結末が待っているかわからなかったからだ
だから、私にとってアイツが生きてて得になることは何一つない
死んでくれた方がよっぽどマシだ
親だから、子供だから、で済まされるなら私は殺されかからなくても済んだはずだし、何かあるたびに罵声や嘲笑を浴びることなく育ったはずだ
何も知らないで勝手な理想と自分のフェチに見合った親子像を他人に押しかぶせて気が済むまで理屈を垂れたって構わないが、聞く耳もまた持つつもりはない
その他
公開:20/02/01 23:15

ダイナマイト・キッド( Twitter アルファポリス ハイパーグラウンド 小説家になろう )

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