ゴミ拾い

「画期的な発明をしたぞ。これを見てくれ」
「ロボットのようだが、何ができるんだ」
「こいつはあらゆるゴミを拾ってくれるんだ。町のゴミだけじゃないぞ。海や山にあるゴミも拾う、実に環境に優しいロボットだ」
「すばらしい。いま一番必要だ、すぐに普及させてくれ」

「ロボットの評判、上出来みたいだな。作った甲斐があったもんだ」
「ゴミを拾ってくれるから、町の景観を崩さないとお礼の言葉が来ていたぞ。他にも動物の誤飲を防ぐと、各国から注目の的だ」
「研究冥利につきる。長年の苦労が報われた」
「すばらしい効果だ。どんどん普及させてくれ」

「どうだ、ロボットは活躍しているか」
「ああ。ただ、最近はあまり効果が見られないというか」
「どういう意味だ。ロボットに不具合があったか？」
「いや、そうじゃない。人間の惰性、エゴというべきか。ロボットに甘えた結果か、気軽にぽい捨てをする人がどんどん増えてしまい……」