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「俺、犬だって断言された気がしたんすけど」
「さっきから言ってる。お前は犬だ、オレ限定で」
それ、喜んでいいのか、悲しむべきなのか。
「嗅覚は個人差がでかくて、犬並みに総合感度の高い奴も、特定の種類に過敏な人間もいるけど、お前の場合、レアにもレア。オレの芳香腺の匂いだけ、異常に感度が高い。今まで繰り返し確かめて、ほぼ間違いねぇ結論。……普通あり得るか?唯一発生源と唯一の感知能が、偶然出会って、現在一緒に過ごしてる。どう仕様もなく運命だろ」
心臓が落ち着いて、呼吸が静まって、じんわり腹に馴染んだ。
香月さんとすれ違った時、追っ掛けた選択は正しかった。香月さんの傍にいる為に俺は生まれた。
「クリスマス、お前に匂いを指摘された時、まだ迷ってた。でも、オレの話全部受け止めてもらって。身体まで、応えるみたいに変化した」
香月さんの眼が、真っ直ぐ俺を見てる。
「頼む、イヌスケ。ブレンドに協力してくれ」
「さっきから言ってる。お前は犬だ、オレ限定で」
それ、喜んでいいのか、悲しむべきなのか。
「嗅覚は個人差がでかくて、犬並みに総合感度の高い奴も、特定の種類に過敏な人間もいるけど、お前の場合、レアにもレア。オレの芳香腺の匂いだけ、異常に感度が高い。今まで繰り返し確かめて、ほぼ間違いねぇ結論。……普通あり得るか?唯一発生源と唯一の感知能が、偶然出会って、現在一緒に過ごしてる。どう仕様もなく運命だろ」
心臓が落ち着いて、呼吸が静まって、じんわり腹に馴染んだ。
香月さんとすれ違った時、追っ掛けた選択は正しかった。香月さんの傍にいる為に俺は生まれた。
「クリスマス、お前に匂いを指摘された時、まだ迷ってた。でも、オレの話全部受け止めてもらって。身体まで、応えるみたいに変化した」
香月さんの眼が、真っ直ぐ俺を見てる。
「頼む、イヌスケ。ブレンドに協力してくれ」
ファンタジー
公開:20/02/01 21:23
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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