つばさの行方

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僕は今、天使と同棲している。彼女は仕事でこの地にやって来た。
天使である彼女の仕事は気になるが僕はそれ以上に彼女の事が気になる。
僕は彼女が好きなんだ。ずっと一緒にいたい。
彼女に告白する?無理だ。それに断られて家を出て行かれたらどうするんだ。
考えに考え抜いた僕は、彼女が帰れなければいいんだという結論に達した。
僕は寝ている彼女にそっと近づき、その翼に手を伸ばした。
天使の翼は思いのほかあっさりともぎ取ることが出来た。
僕は彼女の翼を細かくし、調味料と衣をつけると油の中へと入れていく。
香ばしい香りに彼女が目を覚ました。僕は出来たばかりの手羽先を彼女と食べた。
食事を終えたところで彼女は翼がない事に気付いた。
焦るかと思いきや、彼女は顔を真っ赤にして力む。
ポンっ!と音がしたと思うと彼女の背中に小さな翼が生えていた。
「翼、返してもらうね」
彼女はそう言うと僕のお腹に刃物を突き立てた。
ファンタジー
公開:20/02/01 18:29

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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