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今から二週間前。冬休みを控え、俺は期末試験の勉強やレポートに忙しく、バイトを休んでた。
香月さんは、蘭奢待の仕事でラボに泊まり詰め。終わって息つく暇もなく次の仕事へ。無理が祟って倒れ、病院へ運ばれた。
「塗香。あの、一瞬の奇跡みたいな。そうなんすね!」
「イヌスケ違う」
「……ねぇそうでしょ香月さん。昏睡状態から覚ませんなら、香月さんを何とかする事も出来るかも知れねぇ、そうなんでしょ!?」
肩を掴んだ。香月さんが顔をしかめたけど、手が緩まなかった。
「もう一つの方だイヌスケ。わざわざ言わせんのか」
特定するも何も、香月さんはとっくに勘付いてて、わざと俺を連れて来た。馬鹿な俺にも解るよ。解ってて認めたくねぇだけなんだよ。
忘れもしない、例の死臭。
「匂いにも中毒があるんだ。オレの身体は、自分が作った毒の匂いで自家中毒起こしてる。長年染み付いた不老の呪いを叩き壊すには、老化か死しかねぇんだよ」
香月さんは、蘭奢待の仕事でラボに泊まり詰め。終わって息つく暇もなく次の仕事へ。無理が祟って倒れ、病院へ運ばれた。
「塗香。あの、一瞬の奇跡みたいな。そうなんすね!」
「イヌスケ違う」
「……ねぇそうでしょ香月さん。昏睡状態から覚ませんなら、香月さんを何とかする事も出来るかも知れねぇ、そうなんでしょ!?」
肩を掴んだ。香月さんが顔をしかめたけど、手が緩まなかった。
「もう一つの方だイヌスケ。わざわざ言わせんのか」
特定するも何も、香月さんはとっくに勘付いてて、わざと俺を連れて来た。馬鹿な俺にも解るよ。解ってて認めたくねぇだけなんだよ。
忘れもしない、例の死臭。
「匂いにも中毒があるんだ。オレの身体は、自分が作った毒の匂いで自家中毒起こしてる。長年染み付いた不老の呪いを叩き壊すには、老化か死しかねぇんだよ」
ファンタジー
公開:20/02/01 15:39
時系列整理:
『蘭奢待』12月初め~中頃
『死臭』『塗香』12月半ば
『ローズマリー』12月24日
『体臭』12月28~9日
『体身香』~12月30日
『薫衣』12月31日
『聞香』~1月1日
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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