花園の告白
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純白のウェディングドレスから夜色のイブニングドレスに着替えた陽子が、バルコニーから庭を眺めている。
秘密の宝箱をこっそり覗いているかのような、愛しさと後ろめたさが入り交じった横顔に、私は思わず声をかけた。
「主役がこんなとこで何してるの?」
「百合!来てくれたんだ!」
一変して、昔と変わらぬ笑顔で陽子が振り返る。
「見て、あそこの噴水、なんだか懐かしくない?」
促されて庭を見下ろすと、色とりどりの花の中に少し古めかしい噴水がぽつんと置かれていた。
「あぁ、ほんとだ。学校の裏庭にあったね、似たような噴水」
「覚えてる?卒業式にあそこで願ったことは叶うって言う噂。私、好きな人と両想いになれますようにって願ったのに、結局叶わなかったな。」
そう言ってはにかむ陽子に、私はとっさに言葉が出なかった。
卒業式、あの噴水の前で泣きじゃくる私を優しく抱き締めてくれた陽子の体温が、よみがえった。
秘密の宝箱をこっそり覗いているかのような、愛しさと後ろめたさが入り交じった横顔に、私は思わず声をかけた。
「主役がこんなとこで何してるの?」
「百合!来てくれたんだ!」
一変して、昔と変わらぬ笑顔で陽子が振り返る。
「見て、あそこの噴水、なんだか懐かしくない?」
促されて庭を見下ろすと、色とりどりの花の中に少し古めかしい噴水がぽつんと置かれていた。
「あぁ、ほんとだ。学校の裏庭にあったね、似たような噴水」
「覚えてる?卒業式にあそこで願ったことは叶うって言う噂。私、好きな人と両想いになれますようにって願ったのに、結局叶わなかったな。」
そう言ってはにかむ陽子に、私はとっさに言葉が出なかった。
卒業式、あの噴水の前で泣きじゃくる私を優しく抱き締めてくれた陽子の体温が、よみがえった。
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公開:20/02/02 15:37
更新:20/02/16 11:57
更新:20/02/16 11:57
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