霊能者vs曽根さん
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丸い水晶のある暗い小部屋に黒のローブを纏った女がいた。
「どのようなご相談でしょうか」
「私、悪魔に取憑かれているような気がするんです」
それは骨の髄まで浸み込んでくるような声だった。
「悪魔祓いの壷を、貴女が三十万円で売っていると聞いて…」
少女の地を這うような声音が、女の胸の内壁を嗜虐的に愛撫した。
得体の知れぬ怖気に、女の全身が毛羽立つ。
「は、はい…」
「本当に、たったの三十万でいいの?」
闇の中で少女は死に魅入られたような虚ろな視線を浮かべている。
「え、ええ。もしお支払い頂けるのでしたら…」
ガタッと少女は立ち上がった。
「本当に、たかが三十万ごときで、この私の中の悪魔を、封じられるというの!」
毒針のような視線が女を刺し貫いた。
「ひぃいいい!」
「安過ぎるわ!」
女はそこはかとない「本物感」を察知し脱兎の如く逃げ出した。
「…なんで? 私に壷売ってよ!!!」
「どのようなご相談でしょうか」
「私、悪魔に取憑かれているような気がするんです」
それは骨の髄まで浸み込んでくるような声だった。
「悪魔祓いの壷を、貴女が三十万円で売っていると聞いて…」
少女の地を這うような声音が、女の胸の内壁を嗜虐的に愛撫した。
得体の知れぬ怖気に、女の全身が毛羽立つ。
「は、はい…」
「本当に、たったの三十万でいいの?」
闇の中で少女は死に魅入られたような虚ろな視線を浮かべている。
「え、ええ。もしお支払い頂けるのでしたら…」
ガタッと少女は立ち上がった。
「本当に、たかが三十万ごときで、この私の中の悪魔を、封じられるというの!」
毒針のような視線が女を刺し貫いた。
「ひぃいいい!」
「安過ぎるわ!」
女はそこはかとない「本物感」を察知し脱兎の如く逃げ出した。
「…なんで? 私に壷売ってよ!!!」
ホラー
公開:20/01/31 20:09
曽根さん
霊感商法
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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