吸血鬼のグルメ

「本日、吸血鬼界きっての美食家である貴方達をお呼び立てしたのは他でもない。
私はついに至高の味に辿り着いた。その事を報告する為です。
先日の事です。ディナーを楽しんでいた私は不注意で舌を噛んでしまいました。
驚きましたよ。口内に広がる凝縮された芳醇な味に。ロマネコンティも足下に及ばぬ香りと味わい深さでした。
それは私が体内で培ってきた血液。それを知ってしまった今、有象無象の人間共の血液に満足出来なくなってしまったのです。
そこでですが私、暫くの間眠りにつこうと思っています。ワインは寝かせる事でさらに美味しくなります。
空腹は最高のスパイスと言います。極限まで我慢し、その状態で口にする最高の私の血液…それは一体どれ程の味となるでしょう？今から楽しみでなりません」

この説明で私を含む美食吸血鬼は長い眠りにつく事を決めた。


「最近、吸血鬼見なくなったな」
「ハンターに退治されたんじゃね？」