秒殺の伊右衛門 参の段

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 伊右衛門は思った。なんとしても女人の乳房が見たい。否、其れは別段に助平な心根からくるものではない。伊右衛門の母は伊右衛門が幼いうちに村の流行り病にやられて死んだ。伊右衛門は乳房と云ふものに母への憧憬を重ねていたのである。


 伊右衛門は早速、手持ちの電子板にて具具ってみた。「素人 乳房 たわわ」である。確かに遊郭にでも行けば乳房は揉みしだきさえも出来る。しかし伊右衛門は素人人妻の乳房に拘りがあった。そう、それも亡き母を慕う想いからである。


 伊右衛門は寺を訪ねた。ここの和尚は知恵者で、伊右衛門は時折教えを乞うていた。


「ふむ、素人人妻の乳房とな」
「何卒」
「……電子瓦版にて夫君の愚痴をかいている垢雲斗を探すがよい。先ずは私信でこちらを信ずるに値する者とあぴいるする」
「和尚様、あぴいるとは」
「誇示のことじゃ。ここで己の粗末な一物をあぴいるすることは逆効果となる」
「何と」
その他
公開:20/01/31 13:22
更新:20/01/31 13:23

千億アルマ( Tokyo, Japan )

Senoku ALMA
https://note.com/shiro_mid

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