自業自得

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DVDを借りて、初めて彼の家に行く。
突然の風にピアスがシャランと音を立てた。
「すごい風だったね」
彼が前髪を流してくれる。
スカートを押さえることに気を使っていたから、髪は後回しだった。
「ありがとう」
微笑んで答えた。
彼が入れてくれたコーヒーを飲みながら、映画を観た。
ありがちな内容。感想を求められても困るようなものだった。
一旦止めて、台所に立った。
「コーヒー、おかわり入れてくるね」
「保温になってるから」
部屋も台所も綺麗に片付いている。
小棚に並べられた数種類のスパイス、キャンディーポットに入れられた砂糖や塩。
使いやすい工夫がなされてる。
髪を耳にかけながら、聞く。
「ブラックでいいのよね?」
「おう。サンキュー」
ダラダラと映画を観ただけの休日。
「じゃあ、帰るね」
「送ろうか?」
「まだ明るいから大丈夫。じゃあね」
微笑んで答えた。
風が吹く。もう耳元で音は鳴らない。
ホラー
公開:20/02/01 04:02

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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