Daydream Believer

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 君は空気が読めない。本なんて読まない。「吾輩は猫である」の作者さえ知らない。活字が嫌いだ。だからこの文章も当然1字だって読まれない。


 すぐ物を壊す。僕があげたマグカップもうすはり硝子のグラスも全部壊した。従って君の家にはプラスチックのコップしかない。


 実家の猫の話を嬉しそうに話す。代々の猫には食べ物の名前がついている。いまは「スパム」だ。その前はたしか「サラミ」。
 機嫌がいいときはデイドリームビリーバーをよく口ずさんでいる。そんな世代でもないのに。


 ああ、君のことが好きだ。どこが好きなのか、どこに惹かれたのかよくわからないけど。


 デイドリームビリーバーか。白昼夢を信じるひと。僕達が生まれるより、ずっと前の歌。


 君は不思議なひとだ。目を覚ましたままで見る夢のように。
 そして、僕はそれを信じたい。一緒に口ずさもう、Daydream Believer。
その他
公開:20/02/01 02:15

千億アルマ( Tokyo, Japan )

ショートショートは、短い小説ではなく、読解可能性を最小単位へ圧縮した記録媒体である。本アーカイブは作品を保存することを目的としない。保存されるのは、読者との接触によって意味が生成・変容する条件そのものである。ジャンルは分類ではなく読解の副産物であり、一篇はSFにも日常にも寓話にもなり得る。物語とは完成された構造ではなく、読むという行為のたびに更新される暫定的な現象である。ゆえに作者は創作者ではなく観測者であり、アーカイブとは物語の集積ではなく、物語が発生し続ける可能性を保持するための実験的装置として位置づけられる。長すぎるだろ、これ。

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