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「ねえ、貝殻を耳に当てると、潮騒が聞こえるっていうよね。」
「本当に聞こえるのかな?」
「ああ、なんとなく聞こえるよ。」
「へえ、どんな感じ?」
「うん、聞こえるっていっても、微かにだよ。」
「ねえ、この貝なんかどう?大きいからすごく聞こえそうだけど。」
私はさらに大きな貝を探す。
「ねえ、これも大きいよ!…って、あれ、どこ行ったの?…あれ???」
振り向いたら彼はいなくなっていて、砂浜には貝殻だけが取り残されていた。
***
貝殻を耳に当てると、潮騒が聞こえるというのは本当。でもね、何か入っているのかな?なんて、うっかり指を入れてはいけないよ。一瞬で吸い込まれて、二度と出てこられない。
僕はずっとそうやって、生き物を栄養にして生きてきた。潮騒を「おとり」にしてね。
でもなかなか指を入れてくれる人は少ない。餌取り法としては効率が悪いから、他にいい方法がないか考えているよ。
「本当に聞こえるのかな?」
「ああ、なんとなく聞こえるよ。」
「へえ、どんな感じ?」
「うん、聞こえるっていっても、微かにだよ。」
「ねえ、この貝なんかどう?大きいからすごく聞こえそうだけど。」
私はさらに大きな貝を探す。
「ねえ、これも大きいよ!…って、あれ、どこ行ったの?…あれ???」
振り向いたら彼はいなくなっていて、砂浜には貝殻だけが取り残されていた。
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貝殻を耳に当てると、潮騒が聞こえるというのは本当。でもね、何か入っているのかな?なんて、うっかり指を入れてはいけないよ。一瞬で吸い込まれて、二度と出てこられない。
僕はずっとそうやって、生き物を栄養にして生きてきた。潮騒を「おとり」にしてね。
でもなかなか指を入れてくれる人は少ない。餌取り法としては効率が悪いから、他にいい方法がないか考えているよ。
その他
公開:20/01/29 21:46
本を読むことが大好き。本屋を開きたい。
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