アゲハと瑤子

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俺はTwitterで知り合ったアゲハという女と会うことになった。
彼女は学校でずっといじめられていて、悩んでいるようだった。俺は彼女を助けたかった。待ち合わせ場所に向かう途中、スマホをチェックする。
『皆見て見ぬふり。誰も私を助けてくれない。死ねって言われて死ぬって、負け組かな』
アゲハはそう呟いている。
『私は今から死にます。この憎しみが、この悔しさがアイツらに届きますように』
おい、俺と会うって約束したろ。死ぬなよアゲハ。俺は慌てて彼女にDMを送った。
『死ぬな。死んだら終わりだ。俺が力になるから』
俺は待ち合わせ場所に急いだ。
『最後にアイツの目の前で死んでやる』
その瞬間、目の前の道路にどさりと何か大きなものが降ってきた。人々の悲鳴。同級生の石渡瑤子だった。石渡はニヤリと笑う。血にまみれ、横たわったまま彼女はスマホを打つ。

『死んでも許さない。アゲハも瑤子も一生覚えていてね』
ホラー
公開:20/01/31 10:09
更新:21/04/01 22:50

深月凛音( 埼玉県 )

みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
猫ショートショート入選『ミルク』
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞『ハチ公、旅に出る』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[節目]入賞『私の母は晴れ女』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[縁]ベルモニー賞『縁屋―ゆかりや―』

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