つりあわないラーメン店②

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 閉店間際の来々軒。客は俺1人。
「今日も美味そうに食うね。立中ちゃんさ。いつも色々解決してくれっけどラーメンの事になるとネジ緩んでんな。声に出てるぜ『このチャーシュー麺。7億⁈』て。毎回笑うよ。嬉しいけど790円! いつまで突っ込ますの?」
「声、出てました?いや、これだけ美味くて790円は安過ぎます。本当に心から感謝です」俺は敬愛する大将に深々と頭を下げる。
「やめてよ。でもそれで思い出した。また相談したいんだけどいい?」
 7億の価値の物を790円で食べさせてもらってる俺が断る訳がない。
「毎月10日だけ売り上げの計算が合わないんだよ。少ないならいいよ。90円多いんだよ。うちが多くもらっちゃってんの。申し訳なくてさ。計算違いと思ってたけど、もう2年も続いてっから誰か確かめて返したいんだよ」
俺は目を閉じ考え始めていた。
「出た! いつものロダンの『考える人』ポーズ! これで解決だ!」
ミステリー・推理
公開:20/01/31 02:45
更新:20/11/05 17:29
立中森一(たてなかしんいち) 推理物シリーズ

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
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