無人島の教会
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島とすら呼べない岩場に小さな教会がある。
夏休み、友人の強い要望で教会まで泳いだ。
教会で地下への階段を見つけはしゃぐ友人に掴まれ転げ落ちた。痛みを堪え振り返ると、爛れた肉の塊が居た。声にならない声をあげて飛び出し必死に泳ぐ。肉塊が教会の入口からこちらを見ていた。一目散に逃げ帰った。
落ち着いてくると、友人を置いてきてしまったと言う強烈な罪悪感に苛まれた。出ようとする俺に祖母が声を掛ける。「どけ行くと?」「友達のとこ」「友達て誰ね?」聞かれて気付いた。名前を知らない。そんな筈無い。だって…。ぐるぐると疑問が頭に浮かぶ。
あ い つ 誰 だ ?
ゾッとする。いつからなのか?今朝から?それとももっと前から?家の中へ戻り、祖母の炬燵へ飛び込んだ。
それ以来、何かを見る事も無く誰かが行方不明になったという話も聞かない。
ただ、時折無性に罪悪感に苛まされる。
俺は友人を見捨てた。かもしれない。
夏休み、友人の強い要望で教会まで泳いだ。
教会で地下への階段を見つけはしゃぐ友人に掴まれ転げ落ちた。痛みを堪え振り返ると、爛れた肉の塊が居た。声にならない声をあげて飛び出し必死に泳ぐ。肉塊が教会の入口からこちらを見ていた。一目散に逃げ帰った。
落ち着いてくると、友人を置いてきてしまったと言う強烈な罪悪感に苛まれた。出ようとする俺に祖母が声を掛ける。「どけ行くと?」「友達のとこ」「友達て誰ね?」聞かれて気付いた。名前を知らない。そんな筈無い。だって…。ぐるぐると疑問が頭に浮かぶ。
あ い つ 誰 だ ?
ゾッとする。いつからなのか?今朝から?それとももっと前から?家の中へ戻り、祖母の炬燵へ飛び込んだ。
それ以来、何かを見る事も無く誰かが行方不明になったという話も聞かない。
ただ、時折無性に罪悪感に苛まされる。
俺は友人を見捨てた。かもしれない。
ホラー
公開:20/01/31 00:06
アイコンは壬生野サルさんに描いて頂きました。ありがたや、ありがたや。
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