つばさの行方

「つばさの行方を知りませんか？」
戦場に現れた少女は勝利者である兵士に問いかける。
兵士は口元を緩ませると「勿論知っている。あの森の奥にいる。俺と一緒に探しに行こう」と少女を誘った。
少女は兵士に手を引かれるまま、人気のない森へと向かった。
「つばさの行方が分かりました」
森の奥まで連れてこられた少女は兵士に言った。
しかし兵士にそんなことは関係ない。兵士は少女の服を引き裂いた。
兵士は慄く。そこにあるはずの肉が少女には存在していなかった。
少女は自らの顔の肉を剥ぎ取った。眼球の存在しない瞳が兵士を見つめ、その魂を吸い込んだ。
「この兵士はつばさに非ず。高潔な兵士こそ、神々が求めし、つばさの戦士。不浄なる魂、我が身を以て地獄へ誘う」
少女の背中から骨の翼が現れた。少女は肉を纏いながら次の戦場へと飛び立った。

戦乙女。その存在は天使とも死神とも言われる。
貴方の前に現れるのはどちらの少女？