戦国じえいたい

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三方原の戦いで徳川家康を破った武田信玄の陣中に不思議な記録が残っている。

大鎧を身にまとった少数の騎馬武者集団が突如現れ、僧形の男を警護しつつ武田軍の陣営を突破していったという話だ。

その集団に向けて武田軍が鉄砲をいかけた時、鎧武者が「あな、蒙古のつはものたりや」と叫んだという記述がある。

異形の集団は、うちかかる鉄砲の弾を大刀で薙ぎ払いつつ果敢に突進してきた。信玄の陣まであと数間というところで、現れた時と同じく突如として消え去ったという。

彼らが消える間際、ひとりの鎧武者が僧形の男に声をかけたのが聞こえた。

「慈永殿の侍衛は、この頼近が承った」

武田の者の手記にはこうある。

「あれぞまさしく侍衛隊なり」
ファンタジー
公開:20/01/29 18:00
更新:20/01/29 10:49
284 大鎧は鎌倉武士 タイムスリップ 文永の役から300年後

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

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