コンプライアンスに泣く

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ウチの店に馬がやって来たと思うとアルコール度数の一番高い酒を頼んだ。
馬はそれを一気に煽っては涙ながらに「畜生…畜生…」と呟く。
私からすれば馬の貴方こそ畜生なんですけどね…と喉まで出かかった言葉を飲み込む。ここは飲み屋だからね。
「お客さん…何かあったんですか?」
とりあえず聞いてみた。
「マスター聞いてくれよ…辞書から『生き馬の目を抜く』って言葉が削除されることが決まったんだよ…あまりにも残酷すぎる、子供達にとても使わせられないってクレームが入ったんだとよ」
「ほぅ…そんな事が…しかしお客さん。貴方にまつわる諺や慣用句なら他にもあるでしょう。ほら、今回の事だって馬耳東風と受け流しましょうよ」
「馬鹿野郎!そう言って皆が馬車馬のように働く俺に鞭打つんだ!畜生!何で俺ばっかりこんな目に遭わなきゃいけないんだ…」
私の慰めはまったく効果がないようだ。
ああ、まさに馬の耳に念仏だな。
公開:20/01/28 19:14

どんぐり三等兵

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。

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