毒見(戦国コント)

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「殿、領民からの献上品にございます!」
ホクホクの魚の塩焼きが、殿の御前に置かれた。
「どれ美味そうじゃの。さっそく一口…」
「殿、ここはしばしお待ちを!」
毒見役の男が進み出ると、殿の箸を横から制した。
「ふん、毒などあるもんか!」
毒見役の男は魚の身を口に入れる。すると、
「うっ!」
呻きながら後ずさった。
「ど、どうした!」
重臣たちは一斉は立ち上がり、男に詰め寄る。
男は砦の襖に背中をぶつけると、涙と鼻水をダラダラ垂らし、膝をわななかせて、失禁してしまった。
「どうした! 早く申せ!」
「う、うぅ……」
男の震えが止まった。
「……で、どうなのだ?」
「う」
男は瞼を貝のように固く閉じ、パッと開眼した。
「うまーーい!」
重臣たちは静かに頷くと、放心状態の男を隅に残して、各々の定位置に戻った。
「……殿、食べてもだいじょうぶにございます!」
重臣たちは一斉に頭を下げた。
その他
公開:20/01/29 21:26
殿 毒見 戦国コント

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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