ドリアード(11)

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「不出来な兄ですまなかった。だが、育美を助けてやってくれ。どうか」
「無理、中に入った種は毒の胞子を出していてもう全身に回っているはず」
「そう、か」育美の背が高くなった。いや違う、俺がへたりこんでいた。
駄目だ。あまりのショックでうまく思考ができない。

「いや、これなら方法はあるかも。ただリスクは非常に高いわ」
「何もできないより、ましだ。言ってみてくれ」
「私自身が、育美の中に入るの。「私」自身なら無毒化できる」
「? すまない。よく意味がわからない」
「私と育美が融合するのよ」
「……そうなるとどうなるんだ? どちらかが消えるのか?」
「わからない、二人とも死ぬかもしれない」

「そこまでリスク負わなくても、さっきの俺の頭に入った蔓でなんとかなるんじゃないか?」
「胞子をかきだすようにはできてないわ」
「そうか、お前は、それでいいのか?」
「いいわ、もういろいろと疲れたし」
SF
公開:20/01/29 12:17

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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