よそいき
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私はいつも「よそいき」を箪笥のなかに仕舞っていた。「大事なとき」にそれを着るのだと。
美しく仕立てた着物。舶来のドレス。アンティークの首飾り。私はそれらを決して身につけようとはしなかった。「勿体ない」から。
やがて戦争が起きた。私の「よそいき」はあらかた戦火で焼けてしまった。私は嫁いだ。嫁ぎ先の家業や子育てに追われ、着飾る機会もなくなった。
私は孫がいる年齢になった。夫とは死別した。私は「よそいき」を普段から身につけるようになった。きっと、本当は毎日が特別の日なのだから。
美しく仕立てた着物。舶来のドレス。アンティークの首飾り。私はそれらを決して身につけようとはしなかった。「勿体ない」から。
やがて戦争が起きた。私の「よそいき」はあらかた戦火で焼けてしまった。私は嫁いだ。嫁ぎ先の家業や子育てに追われ、着飾る機会もなくなった。
私は孫がいる年齢になった。夫とは死別した。私は「よそいき」を普段から身につけるようになった。きっと、本当は毎日が特別の日なのだから。
その他
公開:20/01/29 10:35
更新:20/01/29 16:02
更新:20/01/29 16:02
ショートショートは、短い小説ではなく、読解可能性を最小単位へ圧縮した記録媒体である。本アーカイブは作品を保存することを目的としない。保存されるのは、読者との接触によって意味が生成・変容する条件そのものである。ジャンルは分類ではなく読解の副産物であり、一篇はSFにも日常にも寓話にもなり得る。物語とは完成された構造ではなく、読むという行為のたびに更新される暫定的な現象である。ゆえに作者は創作者ではなく観測者であり、アーカイブとは物語の集積ではなく、物語が発生し続ける可能性を保持するための実験的装置として位置づけられる。長すぎるだろ、これ。
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千億アルマ