よそいき
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私はいつも「よそいき」を箪笥のなかに仕舞っていた。「大事なとき」にそれを着るのだと。
美しく仕立てた着物。舶来のドレス。アンティークの首飾り。私はそれらを決して身につけようとはしなかった。「勿体ない」から。
やがて戦争が起きた。私の「よそいき」はあらかた戦火で焼けてしまった。私は嫁いだ。嫁ぎ先の家業や子育てに追われ、着飾る機会もなくなった。
私は孫がいる年齢になった。夫とは死別した。私は「よそいき」を普段から身につけるようになった。きっと、本当は毎日が特別の日なのだから。
美しく仕立てた着物。舶来のドレス。アンティークの首飾り。私はそれらを決して身につけようとはしなかった。「勿体ない」から。
やがて戦争が起きた。私の「よそいき」はあらかた戦火で焼けてしまった。私は嫁いだ。嫁ぎ先の家業や子育てに追われ、着飾る機会もなくなった。
私は孫がいる年齢になった。夫とは死別した。私は「よそいき」を普段から身につけるようになった。きっと、本当は毎日が特別の日なのだから。
その他
公開:20/01/29 10:35
更新:20/01/29 16:02
更新:20/01/29 16:02
Senoku ALMA
https://note.com/shiro_mid
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