ドリアード(8)

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夏菜子が難病で倒れた時、俺はつてを頼りその病気の権威である医者に診てもらうことができた。
だが、治療の甲斐なく夏菜子は死んだ。そのはずだった。

そいつがドリアード病を研究し人体実験を繰り返すサイコ野郎だったことに気づいたのは化け物と化した夏菜子とそいつの死体をみた時だ。
以来、俺は妹を敵だと。そう思って精神を保ってきた。
だが、その結果どうなったか。今回の結果を招いたのは俺だ。

地図の☓印からそう離れていないところに夏菜子はいた。
「育美を治してくれ」俺は夏菜子の前に土下座した。
夏菜子は最初驚いたが、すぐに能面のような冷たい表情になった。
「じゃあ、死んでって言ったら死ぬの?」
「……それは、無理だ、だが」一息ついて言葉を続けた。
「俺と育美の子供たちが大きくなり、独り立ちできるようになったら俺の命をお前にやる。煮るなり焼くなり好きにしろ、なぶり殺されても文句は言わん」
SF
公開:20/01/28 16:26
更新:20/01/28 18:07

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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