半影
2
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髪を結ったゴムへ乱雑に手を伸ばした。
祭囃子の喧騒や屋台の明かりから逃げるように、暗い帰路に足を向けた。
君に好かれようとして、好みの女の子を遠回しに聞き出してみたり。「あの芸能人の髪型がー」なんて弁舌に耳をすませて、真似をしようと伸ばした髪が、ようやく事足りたのに。
とうに日は暮れているにも関わらず求婚に忙しい蝉たちを尻目に、私は帰路につこうとしている。
青春の詰まったお祭りから、遠のいていく。
君とのデート会場が、背後に流れていく。
髪型を作り上げていたはずのヘアゴムを不必要に強く握って。君の好きな私だったはずのそれをきつく握りしめて。
失恋で髪を切るのはこんな気持ちからなんだなと、思った。
祭囃子の喧騒や屋台の明かりから逃げるように、暗い帰路に足を向けた。
君に好かれようとして、好みの女の子を遠回しに聞き出してみたり。「あの芸能人の髪型がー」なんて弁舌に耳をすませて、真似をしようと伸ばした髪が、ようやく事足りたのに。
とうに日は暮れているにも関わらず求婚に忙しい蝉たちを尻目に、私は帰路につこうとしている。
青春の詰まったお祭りから、遠のいていく。
君とのデート会場が、背後に流れていく。
髪型を作り上げていたはずのヘアゴムを不必要に強く握って。君の好きな私だったはずのそれをきつく握りしめて。
失恋で髪を切るのはこんな気持ちからなんだなと、思った。
青春
公開:20/01/28 05:26
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@yosisige
上記アカウントにて駄文を垂れ流しているインターネットポエム揚げパン。
にほんご、すき。
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