アルデンヌの森
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アルデンヌ地方はベルギー、ルクセンブルク、フランスにまたがる高原森林地帯である。第二次世界大戦中の1940年5月、突如としてナチス・ドイツの機械化装甲師団が侵攻してきた。防御力の手薄な虚を突かれたため、フランス軍は西方のセダン目指して撤退をしていた。
濃霧の発生した森の中は文字通り手探り状態で、どこに向かえばよいのかもはっきりせず、あるフランス歩兵中隊は彷徨していた。
すると前方にフランス国旗を掲げた騎馬の一団が目に入った。こちらに来いと合図をしているようにも見える。軍装に違和感を覚えながらも隊長は付いていくことを決めた。
やがて森をぬけてセダンの街が遠望できるころ、霧はいつの間にか晴れ、騎馬集団は消えていた。
若い中隊長がぽつりとつぶやいた。
「あれは1870年戦争時代の軍服だったような……きっとご先祖様が助けてくれたのだろう」
濃霧の発生した森の中は文字通り手探り状態で、どこに向かえばよいのかもはっきりせず、あるフランス歩兵中隊は彷徨していた。
すると前方にフランス国旗を掲げた騎馬の一団が目に入った。こちらに来いと合図をしているようにも見える。軍装に違和感を覚えながらも隊長は付いていくことを決めた。
やがて森をぬけてセダンの街が遠望できるころ、霧はいつの間にか晴れ、騎馬集団は消えていた。
若い中隊長がぽつりとつぶやいた。
「あれは1870年戦争時代の軍服だったような……きっとご先祖様が助けてくれたのだろう」
ファンタジー
公開:20/01/28 08:00
更新:20/01/28 04:42
更新:20/01/28 04:42
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ナチスのフランス侵攻
アルデンヌの森
普仏戦争
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武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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