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若者の恋とは残酷なものなり。

晴一は正子の容姿に惚れていた。
一度も付き合ったことのない故に
女性の洋服から匂う、
ほのかな女の匂い、男性にはない、
袖のフリルなんかを見ただけで、
なんともいえない、
切なさと甘さに
クラクラとしてしまうのだった。
性とは正に残酷なもの。
正子は男友達と思っている、
晴一のアパートにいた。
課題のことで相談があったから。

正子がトイレに行くと言って
立ちあがる、はたまた、お茶を運ぶと言って立ちあがるたび、
スカートのふわっとほのかな蒸れた
匂いが晴一の鼻をついた。

正子が座ってから
しばしの沈黙のあと晴一は意を決した。肩を抱いたあと、唇は僅かに彼女の前をかすめた。

そんな気もない正子は泣き崩れた。
晴一は土下座して謝った。目の中に正子の靴下のフリルが映っていた
そんな時、私はふと思う、そこには下心も恋心もない憧れがあるのみなのだと。
青春
公開:20/01/27 23:01

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