餅つき家族
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餅つきをすることが少なくなった昨今。やり方がわからないという人たちのために、出張餅つきをしている。妻がもち米をふかし、俺が餅をつく。合いの手は息子だ。
昨日、月から注文が来た。餅つき名人の長老が他界し、若いものだけでは心もとないということだった。
「明日、月に行くぞ」
「あら、久しぶり。息子君は初めてね」
「餅つき後の雑煮がうまいんだぞ」
「お肉が鶏じゃなくて兎なのよね。また食べられるかしら」
翌日、家族は月に向かった。月では大勢の兎たちが出迎えた。兎たちと餅つきをして、さて食べようとなったとき、磯辺巻に使う海苔を忘れてきたことに気づいた。
「私が取ってきます」3才くらいの兎が申し出て、ぴょーんと月を飛び出ていった。
「海苔が来るまでの間、雑煮でも食べようか」すると兎たちがザワついた。「あの、肉無しでも良いですか?」「ん、なんで?」
「海苔を取りに行った兎をさばくはずだったんです」
昨日、月から注文が来た。餅つき名人の長老が他界し、若いものだけでは心もとないということだった。
「明日、月に行くぞ」
「あら、久しぶり。息子君は初めてね」
「餅つき後の雑煮がうまいんだぞ」
「お肉が鶏じゃなくて兎なのよね。また食べられるかしら」
翌日、家族は月に向かった。月では大勢の兎たちが出迎えた。兎たちと餅つきをして、さて食べようとなったとき、磯辺巻に使う海苔を忘れてきたことに気づいた。
「私が取ってきます」3才くらいの兎が申し出て、ぴょーんと月を飛び出ていった。
「海苔が来るまでの間、雑煮でも食べようか」すると兎たちがザワついた。「あの、肉無しでも良いですか?」「ん、なんで?」
「海苔を取りに行った兎をさばくはずだったんです」
その他
公開:20/04/08 17:33
文章を書くのが大好きです。
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