お願い家族

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「娘さんを僕にください!」
「むむ……」
「パパ、私達本気よ!」
「でも……もう少し慎重に」
「三つ願いを叶えるって言ったじゃないですか、お義父さん!」
「いや、お義父さんは早いです……ご主人様」

ランプから呼び出され、最初の願いが「娘に会わせてくれ」だったところから嫌な予感はしていた。だが、こんなに早くとは。

「あの、ご主人様は人間、娘は魔神、そのあたりは……」
「愛があれば種族なんて関係ない!」
「パパお願い!願いを叶えて」

まったく、若さってのはおそれを知らない。だが、二人のあの眼差しに嘘はないだろう。愛があれば、か……。

「……わかりました」
「ありがとうございます!」
「娘をよろしく……ご主人様」
「そんな水臭い!お願いですからこれからは名前で呼んで下さい、息子なんですから」
「わかりました……あっ」

せめて、花嫁衣装は見たかったな。

ランプに吸い込まれながら思った。
その他
公開:20/04/08 14:40
◯◯家族 54字リメイク

makihide00( 鳥取→東京→福岡 )

30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。

長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。

Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00

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