強制戻り装置

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 ハカセに呼ばれたジョシュは研究室を訪ねた。
「とうとう完成したんですか!」
「ああ。このボタンを押すと、今いる部屋から、一つ前にいた場所へ強制的にワープさせられるのだ」
 ハカセは手のひらに収まる大きさのボタンを、ジョシュへ手渡した。ジョシュはさっそくボタンを押した。
 瞬きする間に、景色が研究室前の廊下へ変わる。
「すごい! もう一度押してみよう」
 今度は研究所前の原っぱが眼前に現れた。
 ジョシュがボタンの性能に感動していると、ハカセから電話がかかってきた。
「便利だろう! 帰り道という概念すら消し飛ばす画期的な移動法!」
「ええ! 本当に便利で面白い」
 ジョシュはさらにボタンを押す。今度は原っぱの出入り口前にある横断歩道へワープした。
「いやぁーすばらし――」
 ジョシュは言葉を最後まで言い切ることができなかった。車の激しいライトとクラクションが遮ってしまったからだ。
SF
公開:20/04/08 21:43
更新:20/04/08 21:51

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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