『満ちる』 光天

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どこまでも光に満ちる場所にいくつかの器があった。
誰かがこれは何?と訊くと声が答えた。
「人の不満の器。
人の優しさの器」
「これが満ちるとどうなるのですか?」
「不満が満ちゆくと人は他者を攻撃して気を紛らわし、場合によっては自ら苦しみ滅んでいく。それは世界に徐々に伝わっていく」
「そんな恐ろしい不満とは何でしょう?」
「誰かへの疑い。偏る負担への憤り、不足と占有への苛立ち、そして根強い他者との違いと、そこからくる心なさへの不信」
「では優しさとは?どうすればこちらを満たして滅びを回避できるのでしょう?」
声が答えた。
「季節が巡るように春を待つ心。隣人を労わり、日々を努める一人一人の心」
「私はそれを伝えてきます、神様!」
「待て天使よ。世界はそこに在る者達が作り、少しずつ変えていく。それを成し世界を変えるのはあくまで今を生きる一人一人だ」
「ではせめて」
「ああ。世界よ春の光で満ちよ」
ファンタジー
公開:20/04/08 20:16

とーしろさん

はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。

沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。

ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。

興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^

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