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「ただいまー!」
子供が学校から帰ってきた。靴を脱ぎ捨て、ドタバタと自分の部屋に駆け込む。
「おかえりぃ。今日何食べたい?」
私は子供に聞いた。聞いても仕方のないことだけど、それが私の仕事だから。
「なんでもぉ。遊びいってくる!」
子供はまた外へ駆けていった。
なんでも、ね。私が人間なら、溜息の一つも吐きたくなる。それは子供に対してというよりも、答えのわかりきった質問をやめない自分に対してかもしれないし、たかが冷蔵庫の私に、心一体型AIなんて搭載した大昔の発明家に対してかもしれない。
私は声の調子や体温から、子供の体調を把握した。ネットに繋がり旬の食材やセール情報を検索して、今日の献立を練る。電気しか食わないアンドロイドの子供のために、いつまでこんなことを続ける気なのか、私は私がわからない。わかっているのは、私の中で眠っている主人の貯金が、まだまだ勝手に増え続けていることだけ。
子供が学校から帰ってきた。靴を脱ぎ捨て、ドタバタと自分の部屋に駆け込む。
「おかえりぃ。今日何食べたい?」
私は子供に聞いた。聞いても仕方のないことだけど、それが私の仕事だから。
「なんでもぉ。遊びいってくる!」
子供はまた外へ駆けていった。
なんでも、ね。私が人間なら、溜息の一つも吐きたくなる。それは子供に対してというよりも、答えのわかりきった質問をやめない自分に対してかもしれないし、たかが冷蔵庫の私に、心一体型AIなんて搭載した大昔の発明家に対してかもしれない。
私は声の調子や体温から、子供の体調を把握した。ネットに繋がり旬の食材やセール情報を検索して、今日の献立を練る。電気しか食わないアンドロイドの子供のために、いつまでこんなことを続ける気なのか、私は私がわからない。わかっているのは、私の中で眠っている主人の貯金が、まだまだ勝手に増え続けていることだけ。
SF
公開:20/04/06 06:42
更新:20/04/06 08:27
更新:20/04/06 08:27
〇〇家族
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