魔法の鏡は小さい方がいい

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美意識の高い王妃様の従者である私は苦労が多い。
先日も魔法の手鏡なるものが、継娘である王女のほうが美しいと宣ったせいで、怒髪が天を衝いていた。
私は王女の美の秘密を探るべく、彼女の部屋に忍び込む。
鏡台の引き出しの中にある小箱を開けてみると、白いパウダーが入っていた。
指先に少しとって手の甲に付けると、肌がキラキラサラサラ光りだし、まるで粉雪のようだ。王女がスノーホワイトと呼ばれる美しさはこの化粧品にあったのだ。
私は早速盗み出すと、王妃様は大喜びでこのパウダーを顔や身体に付けまくった。
数週間後、王妃様の肌は雪のように白く滑らかになった。が、激太りしている。
このパウダーの主成分が米だったのだ。炭水化物をたっぷり肌から吸収してしまった。
若い王女なら新陳代謝も高いが、高齢の王妃様には脂肪と変わり、もう雪だるまのようだ。

魔法の手鏡が小さくて全身が映らないのが幸いである。
その他
公開:20/04/07 11:15
スクー パウダー米 魔法の鏡

まくの沙江

自分なりのショートショートができればいいと、投稿させてもらっています。
皆様の作品やコメントは、新しいアイディアが生まれて勉強になります!

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