16
14
「セイラ! 何でお前は言うことを聞けないんだ!」
父が目をカッと開くと、ユラユラとちゃぶ台が浮び、ブーンと襖に向かった。
「あなた!」
母が頭を左右に振ると、襖が左右にスッと開き、ちゃぶ台は隣の仏間へ。
「ヒサオミ!」
祖母が膝をポンと叩くと、仏壇がスッと消え、縁側へパッと出現した。
「親父、いい加減にしろよ」
長男が右手を上げると、ちゃぶ台はストンと畳に着地した。
味噌汁は一滴もこぼれていない。
「もう、こんな家族イヤッ!」
セイラは泣きじゃくりながら、フワフワと二階へ上っていった。
父と母と祖母と長男はバツが悪そうに仏間へいくと、黙ったまま、そっとちゃぶ台を持ち上げて座敷へ戻し始めた。
途中で祖母がつまづき、味噌汁の椀が祖母にむかって滑った。
全員が「アッ」と思った瞬間、椀はピタリと空中に静止した。
「セイラありがとう」
廊下にいたセイラは、バツが悪そうに微笑んだ。
父が目をカッと開くと、ユラユラとちゃぶ台が浮び、ブーンと襖に向かった。
「あなた!」
母が頭を左右に振ると、襖が左右にスッと開き、ちゃぶ台は隣の仏間へ。
「ヒサオミ!」
祖母が膝をポンと叩くと、仏壇がスッと消え、縁側へパッと出現した。
「親父、いい加減にしろよ」
長男が右手を上げると、ちゃぶ台はストンと畳に着地した。
味噌汁は一滴もこぼれていない。
「もう、こんな家族イヤッ!」
セイラは泣きじゃくりながら、フワフワと二階へ上っていった。
父と母と祖母と長男はバツが悪そうに仏間へいくと、黙ったまま、そっとちゃぶ台を持ち上げて座敷へ戻し始めた。
途中で祖母がつまづき、味噌汁の椀が祖母にむかって滑った。
全員が「アッ」と思った瞬間、椀はピタリと空中に静止した。
「セイラありがとう」
廊下にいたセイラは、バツが悪そうに微笑んだ。
ファンタジー
公開:20/04/05 10:11
新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。
ログインするとコメントを投稿できます