うさぎの意見

「殺人の半数は親族間で起こっています。もっと境界線をはっきりして、人との距離感を保つことが大事です。たとえ親子でもです」

「虐待、DV、いじめによる低学歴、パワハラによる精神疾患、さらに貧困…すべて一人の人間にどんどん襲ってくる。連鎖しています。」
自殺会議でうさぎ研究員は話した。ほとんどの専門家は、特に問題には関心がなかった。中には会議なのに自分に質問するなと威圧する医師もいた。自分が話すと何も考えていないことがバレて、ボロが出るからだ。そうすることで威厳もついて都合いい。批判する者はいなかった。その医師については患者会では問題視していたが、氷河県の対策委員会に名を連ねていた。
「居場所が大事なんです。自助グループへいくとか、医療だけではどうにもならない。またこのような問題意識を興味持つ人だけの間にとどめておくのも、よくありません。」

専門家らは人々の意識がこちらに向くことを恐れた。