時計のつぶやき

時計草、という名の花がある。
３つに分裂した雌しべが時計の長針、短針、秒針に見えるから日本ではそう呼ばれている。
しかしこれが海外に出るととんでもない事になるのだ。
時計草はキリストの受難の花、なんて呼ばれている。
花の子房柱は十字架、３つに分かれた雌しべが釘、副冠は茨の冠、５枚の花弁と萼は合わせて１０人の使徒達、巻きひげは鞭、葉は槍のようだと言われている。
何と恐ろしい…と、お思いだろう。
海外では時計草の事をパッションフラワーと呼ぶ。
パッションフルーツをご存じだろう。あれは果物時計草と呼ばれる花の果実である。
パッションフラワーはハーブとしても重宝される。興味があれば今度調べてみるといい。
植物というものはとても奥深くて面白い代物だ。
私もつい時間の許す限りその説明に読みふけってしまう。
そして本から顔を上げた時、腹時計の呟きに苦笑いを浮かべてしまう。