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「地球に隕石が落ちるのか?」
テレビを見ていた祖父が言った。
「うん。半年後に人類は滅ぶらしいよ」
やけっぱちで僕が応えた。
「そうか。じゃ、儂が隕石止めてやるわぃ」
祖父はのんびり立ち上がると庭へ出た。
「いやいや、無理だよ」
「1%も?」
「うん」
「1万回に1回も?」
「うん」
「35億分の1ではどうじゃ?」
「え?」
「儂はこれまでの人生、何でも思い通りになった。傾国の美女と呼ばれた婆さんに結婚を申し込んだ時もそうじゃ。婆さんと結婚出来た奇跡に比べれば、隕石を止めるくらい楽勝じゃよ」
祖父はシワシワの顔で微笑んだ。
「まあ、1999年の時もうまくいったから、今回もなんとかなるじゃろ」
祖父が空を見上げて目を凝らす。それから、おもむろに右手を上げて、「むんっ」と小石を掴むような仕草をした。
『緊急ニュースです!』
つけっぱなしのテレビから、アナウンサーの仰天した声が響いた──。
テレビを見ていた祖父が言った。
「うん。半年後に人類は滅ぶらしいよ」
やけっぱちで僕が応えた。
「そうか。じゃ、儂が隕石止めてやるわぃ」
祖父はのんびり立ち上がると庭へ出た。
「いやいや、無理だよ」
「1%も?」
「うん」
「1万回に1回も?」
「うん」
「35億分の1ではどうじゃ?」
「え?」
「儂はこれまでの人生、何でも思い通りになった。傾国の美女と呼ばれた婆さんに結婚を申し込んだ時もそうじゃ。婆さんと結婚出来た奇跡に比べれば、隕石を止めるくらい楽勝じゃよ」
祖父はシワシワの顔で微笑んだ。
「まあ、1999年の時もうまくいったから、今回もなんとかなるじゃろ」
祖父が空を見上げて目を凝らす。それから、おもむろに右手を上げて、「むんっ」と小石を掴むような仕草をした。
『緊急ニュースです!』
つけっぱなしのテレビから、アナウンサーの仰天した声が響いた──。
ファンタジー
公開:20/04/05 18:24
更新:20/04/30 02:00
更新:20/04/30 02:00
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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