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小学校5年生の時に俺はこの能力を得た。

それまでは、いわゆる『いじめっ子』と呼ばれる人間だった。

気に食わないやつが居たらとりあえず呼びつけて、顔を引っ叩くか、頭にゲンコツを落として泣かす。

そんな毎日を過ごしていた。

ある日、それを聞いた担任の先生が家にやってきた。

応接間のふすまをすこーし開けて覗くと、母さんが正座して悲しそうな顔をしながら涙を流している。

なんで?なんで母さんがあんなに苦しそうなんだ?

そう思った瞬間、心臓?みぞおち?肺?いや、そのどれでもない内臓のもっともっと奥のところに激痛が走った。


痛かった。経験したことのない激痛。

俺は泣いてしまった。


その次の日からだ。人を叩いたり、人が叩かれているのを見ると、俺の体の同じところに同じ痛みがやってくる。


この能力を得てから俺はもう人は叩かない。


だって痛いから。
ファンタジー
公開:20/04/04 15:03

たかやん( 四国 )

ど田舎住みの25歳現役営業マン。

夢は、文章を書くことを仕事にすることと、3ヶ月に1回海外旅行に行ける生活をすること。

目まぐるしく時代が更新され続け、何事も『機械化』している世の中で、『人に書かれた文章』のみが持つ『人間味』に触れたいと考え、当サイトに登録することにしました。

時代に乗り遅れないように『最先端』かつ、
心があったかくなるような『人間味』をあわせ持った作品を作っていきたいと考えています。

どうぞよろしくお願いします。
 

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