永遠家族

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「あいつ、この暑い中まだ練習してるよ。言い方は刺あるけど、さすがキャプテンだ」
 僕はずっと野球を続けてきた。暑い夏の練習や坊主頭も全く苦にしない。
その理由が判った。
 僕は両親と妹の4人家族でみんな仲がいい。妹は過去世が見える力を持っている。現世で繋がりのある人は過去世でも関わりが深いが、仲良しのうちはずっと家族関係だった。親子や夫婦の逆転はあったみたいだが。
「だから父さんは母さんの尻に敷かれてんだ」
妹は僕の過去世だけ教えてくれない。懇願して聴き出した僕の前世はサボテンだった。「でも家族の一員だよ」と慰める妹。
その前はナメクジ。床下からずっと家族を見上げてた。乾燥に弱くて次はサボテンに転生。
この家族の一員になりたいとの切望は叶わず転生を繰り返した。

僕が家族の側にいられるだけで幸せなのはそのおかげだったんだ。
「ずっと…」
過去世からの想いと体に蓄えていた水分が瞳から溢れた。
ファンタジー
公開:20/04/04 12:21
更新:20/04/28 02:22
〇〇家族 コンテスト

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
 どうかよろしくお願いいたします。

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