父と私

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「おはようございます」
私が起きてくると、パパはいつもにこやかにそういう。
ママは、もう仕事へ行ってしまったようだ。
「パパ、今日は部活で遅くなるから」
「そっか。もうすぐ県大会だもんね。どう、調子は」
「まあまあ。授業中に寝てるから大丈夫」
「それは感心しないなぁ」
パパの苦笑いを、私は結構気に入っている。
それに、パパが毎朝淹れてくれるコーヒーは絶品だ。
「ねえ、パパ」
「なに」
「私ね、好きな人がいるの」
「それはいいことだね。その気持ち、伝わるといいね。パパも応援してるよ」
「……。うん、ありがと」
私は父のコーヒーを少し口にした。
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公開:20/04/04 09:31

ふじのん

歓びは朝とともにやってくる。

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