よくできた娘

俺の娘はよくできた娘でな。俺の身の回りの事を何でもしてくれるんだ。
食事もトイレも、俺は全て娘に任せている。
俺は別に体が不自由なわけじゃない。娘が何でもやってくれているだけだ。
昔は何も出来ない愚図だった。その度に躾と称し殴り続け、気付いたら死んでいた時もあった。
娘はな、死ぬ度に賢くなっていくんだ。見ろよ。今では何も言わなくても俺の望み通りに動いてくれる。
今日も娘の作るシチューは最高だ。酒や煙草以上の幸福をシチューは与えてくれる。
どうだい、お巡りさん？貴方も食べないか？
「そのシチュー鍋に、貴方の娘さんの死体が入っていました…」
そうなのか？どうでもいいじゃないか。ほら娘よ、お巡りさんにシチューを食べさせてあげなさい。
お巡りさん。どうです？美味しいでしょう？さあ、貴方もシチューの具材になるのです。娘よ、後は任せた。
ああ、ところで君は本当に俺の娘だったかな？まあ、どうでもいいか…