ごみ拾い家族

僕の一族はごみ拾いを生業としている。

祖父母が拾うはスターダスト。
地球に流れ着いた星の欠片を集めては元の形に復元し、空へと帰す仕事をしている。
「いつか儂らも星になる。その時、お前達をいつでも見守れる最高の場所を取れるよう、お星様にお願いしているんだよ」
会えないのは悲しいけど、見守っていてくれるのなら僕は上を向いて歩いて行ける。

両親が拾うはダイヤモンドダスト。
宝石のダイヤではなく、細氷と呼ばれる氷の結晶を拾い集めている。
「この幻想的な風景、心が洗われるだろう？私達は人々の心に神秘的な自然の美しさを届ける仕事をしているんだ」
父はダイヤモンドダスト輝く中、母にプロポーズしたらしい。僕も将来同じ事をしよう。

僕が拾うはハウスダスト。
家族にとって最高の快適空間を作る為に家のごみを集めている。ホコリ高い僕の仕事だ。

僕ら一族が拾っているのはごみではなく、誰かに繋がる幸せなんだ。