こどもたちの文化活動

フリッパーズ・ギターのアルバムには、イタリアンシネマジャズのような曲が入っていた頃だった。

たまに買う「SCREEN」を学校に持っていった。それを見たグリコは「キモい」。と憎しみを込めて言った。

ミコトは映画雑誌がなぜ不快なのかさっぱりわからなかった。

毎日あるブラスバンド部の練習は、大会を控え白熱していた。部員のグリコは「部活は感動できる」と自慢していた。放課後、彼らのムーン・リバーが、校内に響いた。

映画音楽も演奏している人が、なぜ映画をバカにするのかミコトにはわからなかった。

友達のレオがいうには、練習が忙しくて映画を観ることがないのではないかという。

「感動は、知識がないとできない」
大学の先生から聞いたと、年上の友達のあんずがいった。

大人になりミコトは毎年届く同窓会報「くさかび」にグリコとの思い出を載せてもらった。